日韓の農家に見るTPP(環太平洋経済連携協定)への反応

韓国がアメリカやEUをはじめとする農産物輸出国との自由貿易協定(FTA)の締結への動きを加速させる中、日本は遅れをとっています。今年、米韓のFTAが批准されると、韓国はFTA締結国との貿易が全体の36%を占めることになり、ウォン安の恩恵とあわせると、日本製品は海外市場で全く勧告製品に勝てなくなるという、前原大臣の不安が実現することになります。

日韓の農家に見るTPP(環太平洋経済連携協定)への反応

さらに日本が遅れているのが、管総理が「開国元年」の目玉と位置づけているTPP(環太平洋経済連携協定)の締結を巡る問題です。韓国は日本と同様、農家の大半が60歳代を超えており、農地法により農家以外への農地の転売が禁じられています。

そして、大半の農家が専業であり、収入の大半が農業から得ているにも関わらず、米を除いて実質的に全ての農産物の自由化を行っています。この背景には、農業自由化と平行する形で、農家に対する損失補てんの所得支援政策を採用していることが挙げられます。

一方、日本の農家は80%以上が兼業農家であり、農業が収入を占める割合は15%にも満たない状態ですが、農業関係者はTPPに猛反対しています。韓国が採用した所得支援政策も小沢氏が党首のときは提唱していましたが、現在では貿易自由化とは切り離して独立で所得保障を行うべきとしています。